1891(明治24)年五高に英語教師として来熊し、当時の青年に多大の影響を与えたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)を通して熊本とアイルランドは深い関係にあります。
当協会は関係各界の協力を得て1998(平成10)年以来「ハーンと熊本」、父の祖国である「アイルランドの社会と文化」などの市民講座をこれまで21期(115回)にわたり開催してきました。
2020(令和2)年・第22期の市民講座は年間テーマを『アイルランドの記憶の玉手箱』として、以下の通り開催いたします。 この市民講座はケルトの心と日本人の心との快い共鳴の場です。 どうぞ来て楽しんでいただければ幸いです。 沢山のご参加をお待ちしています。
年間テーマ『アイルランドの記憶の玉手箱』
アイルランドの記憶の玉手箱を開いてみましょう。まずは地形の記憶の風景が見えます。高い山はあリません。急流を思わせる大河もありません。湖はありますが規模は小さいです。ドラムリンという低い丘陵の地形がうねるように続いています。元々イングランドとは陸続きであったのが氷河が溶けて現在の地形になりました。この記憶の玉手箱には哀しみの十字架が見えます。アイルランドの人を含むケルト人は元々ヨーロッパから入った遊牧民でした。彼らは政治的にまとまった「国家」を形成することはなかった。それゆえローマ帝国やゲルマン民族との戦いに敗れ、彼らの支配下に入った。12世紀のヘンリー二世の侵攻、17世紀のクロムウェルの大破壊、19世紀のジャガイモの大飢饉などがありました。
しかしこの玉手箱にはアイルランドの人々の「芸術・文化」の金字塔が多く見られます。8世紀のケルズの書は世界一美しい書物。近代のS.ベケット、S.B.イェイツ、S.ヒーニーなどノーベル賞作家・詩人が多くいます。リバーダンスや現代音楽のエンヤもここに付記しておきましょう。
この市民講座ではケルト(アイルランド)の人たちの記憶の玉手箱に光を当てます。それは同時にアイルランド人を父親としてもつラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の心に少しでも近づくことになります。熊本に三年住み、名作を多く遺してくれたハーンです。彼の熊本における顕彰の意味を込めてアイルランドのことを想い出すことは大切なことであるに違いありません。
なお、どなたでも受講でき、受講料は無料ですが、会場により参加費(飲み物とお菓子代)や入館料が必要です。詳細は当協会事務局までお問い合わせください。
日程 | 演題 | 講師 | 会場等 |
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[中止] 5/30 (土) | [中止] アイルランドと イングランド | [中止] 西川盛雄氏 熊本大学名誉教授 | [中止] ※1 |
[中止] 6/27 (土) | [中止] アイルランド音楽の魅力 | [中止] 本間康夫氏 崇城大学名誉教授 他 | [中止] ※1 |
[中止] 8/22 (土) | [中止] アイルランドにおける 水の信仰 | [中止] 高木朝子氏 熊本高専准教授 | [中止] ※1 |
[中止] 9/19 (土) | [中止] 八雲のヒストリア =音楽と朗読= | [中止] 鮎川久雄氏 熊本八雲会副会長 他 | [中止] ※1 |
[中止] 10/17 (土) | [中止] ドルイドとハーンの 宗教観 | [中止] 坂本弘敏氏 小泉八雲熊本旧居館長 | [中止] ※2 |
[中止] 12/5 (土) | [中止] ハーン作品の朗読 | [中止] 斉藤幸子氏 他 石蕗の花の会 | [中止] ※1 |
12/5 (土) | ラフカディオ・ハーンと 感染症 | 西川盛雄氏 熊本大学名誉教授 | ※1 |
協力団体:熊本八雲会・小泉八雲熊本旧居保存会・熊本大学小泉八雲研究会・五高記念館友の会・熊本市教育委員会(順不同)