当協会ウェブサイト 通信暗号化(常時SSL化)作業開始について

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当協会のウェブサイトへご訪問いただき、誠にありがとうございます。

さて、当協会ではウェブサイトの安全性を高めるため「通信暗号化(常時SSL化)」の作業を進めております。これにより、サイバー犯罪の防止(盗聴、データ改ざん、なりすまし)だけでなく、Google検索順位の優遇や通信速度の向上などの副次効果もございます。

新旧どちらのURLもご利用いただけますが、新URLでアクセスいただくとより安心してご利用になれますので、登録されているブックマークやお気に入り、スタートページは新URLへ書き換えられることをおすすめいたします。

まだ暗号化(SSL化)されていないリンクやコンテンツがございますが、少しずつ改訂してまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。

なお、当協会宛のメールアドレス(非公開)に変更はございません。

2017年(第19期)市民講座のお知らせ

1891(明治24)年五高に英語教師として来熊し、当時の青年に多大の影響を与えたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)を通して熊本とアイルランドは深い関係にあります。関係各界の協力を得て1998(平成10)年以来「ハーンと熊本」、父の祖国である「アイルランドの社会と文化」などの市民講座を18期(99回)にわたり開催してきました。

そこで19期・2017(平成29)年は「アイルランドの魅力=古代ケルトの祈りと再生=」をテーマに開催します。ケルト民族はローマ帝国以前からあり、その版図はヨーロッパ大陸でもっとも古く、かつもっとも広いものでありました。しかし、ケルトはやがてローマやゲルマンによってヨーロッパの周辺部に追いやられていきます。しかし彼らの魂は紋様や言語や神話や妖精譚などに託してその心意気を今に伝えています。ケルトは歴史上数々の苦難の歴史を経てアイルランド、スコットランド、ウェールズ、フランスのブルターニュ地方などにその痕跡を遺しました。このような背景において本年の市民講座は、民族の滅びから祈りと再生を基本テーマとしてケルトあるいはアイルランドの魅力について考えてみたいと思います。

下記の通り市民講座を開催いたします。お気軽にご参加くださいますようご案内申し上げます。受講料は無料ですが、会場により参加費(飲み物とお菓子)や入館料が必要です。詳細は当協会事務局までお問い合わせください。

日程 演題 講師 会場等
5月27日(土)
14時00分~
ラフカディオ・ハーンとアイルランド 西川盛雄氏
熊本大学名誉教授
※1
7月22日(土)
14時00分~
アイルランドの妖精民話・淵源と伝播 高木朝子氏
熊本高専准教授
※1
9月16日(土)
14時00分~
「街道」とヨーロッパ 八田茂樹氏
熊本高専名誉教授
※1
10月28日(土)
14時00分~
ハーンの遺作「日本 一つの試論」 坂本弘敏氏
小泉八雲熊本旧居館長
※1
11月4日(土)
14時00分~
アイルランドの民話と民謡の世界
(朗読とおはなし)
斉藤幸子氏
石蕗(つわぶき)の花代表
※1
開講時間はいずれも90分
※1 お菓子の香梅帯山店ドゥ・アート・スペース 参加費200円(飲み物とお菓子)
※2 熊本地震の影響で本年は小泉八雲熊本旧居での開講はございません

協力団体:熊本八雲会 小泉八雲会 小泉八雲熊本旧居保存会 熊本大学小泉八雲研究会 五高記念館友の会 熊本市教育委員会

アイラブくまもとで車夫「くま」役の「堀田清」 TVドキュメント番組出演のご紹介

当協会が共催し、2016年9月21日に熊本市、12月17日に東京都新宿区で公演した「アイラブくまもと~漱石の四年三ヵ月~」で車夫「くま」を演じた熊本県益城町在住の「堀田清」が、熊本地震から公演までを描いたドキュメント番組に出演いたします。どうぞご覧ください。

  • TV番組名 JNN九州沖縄ドキュメント「ムーブ」
  • タイトル 負けんばい~熊本地震からの復興をめざして~
  • 放送時間
    • 熊本県(RKK) 2017年1月10日25:55~26:25 (11日01:55~02:25)
    • 他県は下記URLをご確認ください
  • TV番組URL http://rkb.jp/move/ http://rkb.jp/move/move_next.htm

【堀田清プロフィール】
劇団石代表、熊本演劇人協議会前会長
1950年生まれ、熊本県益城町在住。1970年、NHK放送劇団解散後、舞台公演を目指す劇団石を設立。笑いをテーマにモリエールのフランス古典喜劇(ファルス)を中心に活動開始。現在は、優しさや思いやりをテーマにした作品を中心に舞台活動を展開中。代表作はダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」。地域演劇の連携の必要性を感じ、熊本演劇人協議会主催の熊本演劇フェスティバルにも参加。2014年熊本県文化懇話会より【新人賞】を受賞。
「アイラブくまもと」では車夫「くま」を演じながら演出も手掛ける。

2015年度熊本アイルランド協会総会のお知らせ(終了)

2015年度熊本アイルランド協会総会は終了しました。

2015年度(2015年9月1日~2016年8月31日)総会及び懇親会を次の通り開催しますので、ご参加くださいますようご案内申し上げます。

  • 日時:2016年11月8日(火)
  • 受付:17時30分
  • 総会:18時00分
  • 懇親会:18時30分
  • 会場:アンジェロ(熊本市中央区下通2-5-19-B1F, 096-322-8178)
  • 懇親会費:4,000円

市民講座「哲学者ベルクソンとスピリチュアルなものについて」

市民講座「哲学者ベルクソンとスピリチュアルなものについて」を開講しました。

以下は講座内容になります。

こちらの協会には縁の深いラフカディオ・ハーンは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、「心霊現象」に惹かれていました。私の研究するフランスの哲学者アンリ・ベルクソンも、同じ時期にこの現象に対して、一定の関心を示しています。この発表では、ハーンとベルクソンという二人の西欧人が、どのような思惑で、このいわゆる怪しげな現象に惹かれていたかを追ってみました。
ハーンが心霊現象に惹かれたのは、特殊で地域的な文化や慣習に内側から共感するための手掛かりとしてであるようです。ところが、同じハーンが、明治後半の日本で近代的ナショナリズムを推進する言論に参加しました。この二つの立場は大きく異なるように見えます。しかしハーンの態度には、①特殊なものを西欧人が考える「一般性」「普遍性」から守る、②特殊なもののうちに、特殊なままで追求される、より広い意味での「普遍性」がある、という二つの原則が見て取れます。こういう原則を早くから打ち出した西欧人は、18世紀後半のドイツの歴史哲学者ヨーハン・ゴットフリート・ヘルダーでした。そしてヘルダーのこのような考え方は、17世紀末のドイツの哲学者ライプニッツの哲学に由来すると思われます。ライプニッツは、特殊なものであるそれぞれの個人が、それなりの仕方で普遍的な目的を追求するならば、理想の共同体が作られてゆくという、歴史の目的の理論を提示していました。
ハーンにはヘルダーやライプニッツのような、目的を想定する歴史の哲学の影がうかがえるとともに、もっとあからさまな形では、同時代のイギリスの哲学者ハーバート・スペンサーの強い影響が見られます。スペンサーは社会の発展を、生存競争による適者生存という枠組みで説明しようとしました。ハーンは、上の①と②とならび、③競争社会を生き抜くためには軍事的に強くなければならない、というスペンサーの考え方に同意しながら、明治のナショナリズムを推進したのでした。
ところで、スペンサーの生存競争・適者生存論は、自由に振る舞う個の間での競争を設定し、状況と個の生物学的変異の間に、確率論的な相関を確認します。スペンサーは予め社会の目的など想定しません。ところが実はライプニッツのいう普遍的な目的とは、複数の可能な世界の間の確率分布のことなのです。この確率分布にしたがって、もっとも実現しやすい世界が現実の世界となるというのです。いわば、この確率分布が、ゆるい形での宇宙の設計図です。ですから、スペンサーとライプニッツの、社会の発展についての説明は、そんなに異なるものではないのです。そしてライプニッツのような目的の理論は、日本の伝統的な政治・宗教思想(仏教、朱子学、国学)と相性がいいように思われます。
スペンサーのような適者生存論と、ライプニッツのような普遍的な目的の理論が、こっそりもたれあう関係にあると指摘した哲学者の一人がベルクソンでした。ベルクソンとしては、ライプニッツのような確率論的目的論は、不安な現実を少しでも確かなものにしようという私たちの願望を投影したものにすぎないと考えます。またベルクソンは、生存競争の事実を肯定しますが、スペンサーのような適者生存論については、努力に類する何かを生命進化や社会の根源に想定しなければ、進化も社会の発展は説明できないとして退けます。ベルクソンはそうやって、創造者としての神の努力と愛を信じる立場をとります。ハーンは、歴史的なキリスト教の悪逆非道を根拠に、宗教も生存競争のための武器にすぎないと言いますが、ベルクソンはそのようには考えません。
ベルクソンは、心霊現象についての事例の収集と分析を正面から行った、イギリス心霊研究協会に関与しています。この協会の発足は、まさにスペンサー流の適者生存論が、制限なしの自由競争による社会の道義なき階層化を招くのではないかと危惧した人々によるものです。ベルクソンはこの協会での講演で、確率分布からみれば心霊現象は不可能な現象になってしまうと指摘しながら、こうした現象は事実確認と、数理科学よりは歴史学や法学の手法によって扱われるべきだと主張します。ベルクソンは、生命進化や社会の発展についても、同様に事実の確認によって探究するほかないと主張したのでした。つまりベルクソンの場合、心霊現象は、創造者の努力と愛を確認する事実の、一翼を担うものという資格で注目されています。ただし、創造者はどんな確率分布も設計図としては用意しないとベルクソンは考えます。
ふりかえると、ハーンは文化・慣習の特殊性を示すものとして、心霊現象の注目しました。ベルクソンの考え方は、ハーンのような特殊の尊重感情が、確率論的な目的を経て、適者生存論と合体しないようにする効果を持つと言えます。

市民講座の様子

市民講座の様子