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2024年(第26期)市民講座のお知らせ

 1891(明治24)年五高に英語教師として来熊し、当時の青年に多大な影響を与えたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)を通して、熊本とアイルランドは深い関係にあります。
当協会は関係各界の協力を得て1998(平成10)年以来「ハーンと熊本」、父の祖国である「アイルランドの社会と文化」などの市民講座をこれまで24期にわたり開催してきました。
 2024(令和6)年・第26期の市民講座は年間テーマを「旅する心優しきアイルランドの人々』として、以下の通り開催します。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

年間テーマ「旅する心優しきアイルランドの人々」

 ラフカディオ・ハーンの父方のルーツはケルト(アイルランド)の民人であった。この民族のルーツはヨーロッパの臍(へそ)とも言うべき現在のオーストリア、ザルツブルク近郊の山中にあった。そして彼らは此処から西に向かって壮大な旅(移動)に出ていくのである。
 ケルトの民は旅する民であった。ボへミアンとも言われ、貧しくも力強い「流浪の民」であった。途上で出会ったラテン(ローマ)の軍勢に百戦百敗してイベリア半島に逃れ、遂に海を越えて北上し、ブリトン島(現在のイギリス)の周縁部にたどり着いた。現在のスコットランド、ウェールズ、アイルランドである。

 旅する民は組織的な戦や国家形成・維持などは苦手であった。しかし芸術を生み出し、これを伝承していく文化力はすぐれていた。この心は詩や歌に託され、絵や踊りを演劇に結実して今日に伝えられている。
 ハーンはその血を受け継いでいたと思われる。美しい散文は誌的で、民族の魂が込められた民話や説話や諺などへの愛着は大きかった。私たちの知る『怪談』や『骨董』はこの心から生み出されたものであった。
 この市民講座では、熊本に約三年間いたハーンの心に繋がってアイルランドの心を皆様とともに楽しみたいと思います。皆様ぜひお越しください。

団体で受講される方は事前に当協会事務局までご連絡ください。

日時演題講師
5/25(土)
13:00~
アイリッシュ音楽の旅本間康夫氏
アイリッシュ・クリーム
キョールトリ
6/29(土)
14:00~
流浪の民=ケルト民族=西川盛雄氏
熊本大学名誉教授
7/6(土)
14:00~
アイルランド妖精の旅高木朝子氏
熊本高専准教授
8/3(土)
14:00~
アイルランド系アメリカ人小説・映画のうちに見る”Irish Spirit”八幡雅彦氏
別府大学短期大学部名誉教授
10/26(土)
14:00~
アイルランドの新しい作家サリー・ルーニーについて池田志郎氏
英米文学研究者
12/7(土)
14:00~
ハーン没後120年に寄せて「思い出の記」斎藤幸子氏他
石蕗(つわぶき)の花代表
2024年(第26期) 市民講座一覧表

協力団体:熊本八雲会・小泉八雲熊本旧居保存会(順不同)