「楽しいわが家」制作実行委員会の主催、熊本県文化協会の共催で、音楽劇「楽しいわが家」が開催されます。
小泉八雲、夏目漱石をテーマに創作劇をつくり、熊本と新宿で公演しようと始まった活動も、新しい題材にも挑戦するようになり、今回で7作目に。浜畑賢吉さんを迎えてからは5作目。地元の演劇、音楽、民謡、日舞などの舞台人によるオリジナル作品です。
実話にもとづく物語ですが、大胆に脚色。音楽劇として戦前、戦後の懐かしい歌も飛び出します。どんな時代でも青空がのぞき、ひとびとの暮らしのなかには家族の愛がありました。再び戦争がなく、平和な暮らしが続くようにと願っての企画です。
第61回熊本県芸術文化祭に参加しています。
- 名称:音楽劇「楽しいわが家」
- 日時:2019年11月29日(金)
昼の部/開演14時00分(開場13時00分)
夜の部/開演18時00分(開場17時30分) - 場所:市民会館シアーズホーム夢ホール 大ホール
熊本市中央区桜町1-3、096-355-5235 - 入場料:前売3,000円、当日3,500円(税込み)
セブンコード:078-819
全席自由 - チケットのお求め
熊日プレイガイド:096-327-2278
熊日生涯学習プラザ:096-327-3125 - お問い合わせ
熊日生涯学習プラザ
096-327-3125
plaza*kumanichi-sv.co.jp(*を@に変更して送信してください) - チラシ(PDF)
物語の背景
昭和12年(1937)、日中戦争が始まり、熊本の第六師団も中国に動員され、菊池出身の立山英夫中尉は偵察に出て、戦死します。血まみれの軍服のポケットには母親の写真があり、裏に詩が書かれ、最後に「お母さん」が24回繰り返されていました。
実家での葬儀に上官の大江ーニ三少佐から「ヤスクニノ ミヤニミタマハ シズマルモ ヲリヲリカへレ ハハノユメジニ(靖国の宮に御霊は鎮るも をりをり帰れ母の夢路に)」という弔電が届きます。この歌は一人歩きを始め、「海ゆかば」で知られる信時潔によって作曲され、国民歌謡第1号になりました。
大江ーニ三は現役の将校でしたが、詩人肌で短歌や句を作り、絵も巧み、音楽を好み、バイオリンを弾き、校歌の作詞作曲もしています。講談社の「少年倶楽部」に「ちゃんぽん閣下」を連載しています。本土決戦に備え、宮崎県の清武村(宮崎市)で歩兵四百五十五連隊長として陣地構築を指揮しますが、兵士の慰安と村人らとの融合のため劇団もつくります。また作詞作曲した「清武音頭」が盆踊りで戦後長い間、踊られていました。
出演者等
演出・脚色 | 浜畑賢吉 |
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作 | 井上智重 |
演出補 | 堀田清 |
企画・制作統括 | 小川芳宏 |
大江ーニ三 | 岩本貴文 |
妻 艶子 | 春日信子 |
長男 志乃夫 | 春日保人 |
(立山中尉との二役) | |
次男 捷也 | 浜畑賢吉 |
捷也の妻 寿美子 | 政木ゆか |
立山中尉の母 | 高濱流光華々 |
肥後日日新聞社長 | 松岡正勝 |
同社の文化部記者 | 田川智則 |
講談社の編集者 | 堀田清 |
お手伝い テル | 井芹誉子 |
宮様閣下 | 出田秀尚 |
李香蘭 | 福嶋由記 |
川島芳子 | 邑木みほ |
巡査 | 草村健司 |
高峰三枝子 | 福田恵加 |
愛国婦人会班長 | 木村久美子 |
愛国婦人会の人々 | 田川真木子 |
畠山志津子 | |
田中浩子 | |
隣の住人 | 芦刈剛信 |
清武村の民謡名人 | 福島竹峰 |
清武村の娘たち | 西崎緑祠社中 |
《プロフィール》浜畑賢吉
東京生まれ。俳優座養成所を経て、1966年劇団四季入団。1994年四季正劇団からフリーとなり、より幅広い活動を目指す。大阪芸術大学教授・舞台美術学科長。「新宿くまもと物語 わが青春のムーラン・ルージュ」で森繁久彌を演じ、「夢草枕 峠の茶屋の花吹雪」「アイラブくまもと 漱石の四年三カ月」で漱石、「ハーンが見た『熊本のこころ』」ではハーン役を演じた。母は玉名市出身。