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1 お知らせ 1-3 事務局よりお知らせ

第4回市民講座「アイルランド系アメリカ人小説を読む」のお知らせ(終了)

市民講座「アイルランド系アメリカ人小説を読む」は終了しました。聴講してくださり誠にありがとうございます。

「アイルランド系アメリカ人小説を読む」と題し、八幡雅彦氏による市民講座を開講いたします。受講申し込みは不要ですので、お気軽にお越しください。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、予防ガイドラインに沿った対策を講じております。ご来場前に以下の項目をご確認、ご承諾くださいますようお願い申し上げます。

  • 発熱や味覚・嗅覚に異常がある等、体調がすぐれない方の受講をお断りします
  • 入場時の手指消毒(アルコール)にご協力ください
  • マスク着用は個人の判断が基本となりますが、コロナ療養期間終了後から7日間が経過していない方はマスク着用をお願いします
  • 講師はマスクを着用しない場合があります

受講希望者が多数の場合や上記対策に協力できかねる場合は、入場をお断りする場合がございます。また、新型コロナウイルス感染症の流行状況により、当講座を延期または中止する場合がございます。最新の情報は当ページを再確認されるか、当協会事務局(096-366-5151)までお問い合わせください。

  • 日時:2023年8月26日(土)14時00分~15時30分
  • 会場:お菓子の香梅帯山店ドゥ・アート・スペース(熊本市中央区帯山7-6-84)
  • 交通アクセス 熊本都市バス
  • 桜町バスターミナルからバスに乗車する場合
    • 乗車:桜町バスターミナル15番のりば
    • 系統:G1-4,G1-5,G1-6 保田窪四ツ角、日赤病院、長嶺小学校、免許センター方面
    • 降車:帯山四丁目
    • 徒歩:降車後、国体道路を東方向へ徒歩2分(100m)
    • 12:45発 13:07着 280円
    • 13:10発 13:32着 280円 スロープ付車両
  • 熊本駅からバスに乗車する場合
    • 乗車:熊本駅前06番のりば
    • 系統G1-6 大学病院、大江渡鹿、日赤病院、 長嶺小学校方面
    • 降車:帯山四丁目
    • 徒歩:降車後、国体道路を東方向へ徒歩2分(100m)
    • 13:02発 13:25着 310円 スロープ付車両
  • 講師:八幡雅彦氏(別府大学短期大学部名誉教授)
  • 演題:アイルランド系アメリカ人小説を読む
  • 申込:不要ですので、お気軽にお越しください
  • 受講料:無料(飲み物とお菓子の提供はございません)
  • お問い合わせ:当協会事務局 096-366-5151

19世紀半ば、アイルランドではじゃがいも大飢饉が起こり、150万人が亡くなり、100万人がアメリカをはじめとする海外に「棺桶船」で移住しました。

アメリカに移住したアイルランド人の子孫のうちからは数多くの著名な政治家(ジョン・F・ケネディ、ロナルド・リーガン、ジョー・バイデン等)、実業家、スポーツマン、文学者等が誕生しました。文学者としては小説家のスコット・フィッツジェラルド、劇作家のユージン・オニール等が挙げられます。

今回の講演では、まずアイルランド系アメリカ人の歴史について紐解きます。そのうえで、彼らがアメリカ社会で身を起こしてゆく様を描いた小説、ピュリッツァー賞を受賞した4人のアイルランド系アメリカ人の小説を中心にお話をいたします。私の講演を通して、彼らの作品がいかに読者に人生について多くの考える材料を与えてくれるか、そしていかに生きる勇気を与えてくれるかをご理解いただき、アイルランドがいかに「偉大な国」であるかを感じ取っていただければ幸いに存じます。

市民講座「アイルランド系アメリカ人小説を読む」
市民講座「アイルランド系アメリカ人小説を読む」

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1 お知らせ 1-3 事務局よりお知らせ

2023年(第25期)市民講座のお知らせ

 1891(明治24)年五高に英語教師として来熊し、当時の青年に多大な影響を与えたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)を通して、熊本とアイルランドは深い関係にあります。
当協会は関係各界の協力を得て1998(平成10)年以来「ハーンと熊本」、父の祖国である「アイルランドの社会と文化」などの市民講座をこれまで24期にわたり開催してきました。
 2023(令和5)年・第25期の市民講座は年間テーマを「懐かしい国・アイルランドの心を辿る』として、以下の通り開催します。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

年間テーマ「懐かしい国・アイルランドの心を辿る」

 昨今、コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻など、どこか落ち着かない日々が続いています。改めて人々の安心・安寧も日々の大切さに思い至ります。
 混沌とした時代はなつかしさを求めます。そのなつかしさを持続・継承しているのはその国、その土地の文化・風土でしょうか。そしてこの懐かしさこそ行き過ぎた近代化のひずみに対する解毒剤の役割を果たします。
 アイルランドのルーツはケルト民族で、西洋の懐かしさの源泉の一つです。ケルト民族は、政治的には敗者であり続けましたが、人間の心の世界に繋がる文化/芸術の分野では豊かな世界を保持・継承してきました。現在の万霊節やハロウィンも元々はケルトのものでした。
 イェイツの詩歌や民話・説話の採集、オスカー・ワイルド、そしてラフカディオ・ハーンもこの系統に繋がります。
 日本人とケルト民族の心には共通するものが多々あります。現代という不安な時代への癒しと励ましとしてアイルランドの心に触れることは意義あることだと思います。この市民講座を通してどこか懐かしい西洋と日本の世界を一緒に辿ってみたいと思います。皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。

 市民講座では新型コロナ対策のため、受講者の皆様に検温や手指消毒、マスク常時着用、咳エチケットへのご協力をお願いする場合がある他、入場制限や講座の中止や延期、保健所等公的機関への情報提供などを実施することがございます。
 また、団体で受講される方は事前に当協会事務局までご連絡ください。

日付演題講師
5/27
(土)
現代に息づくアイルランド伝統音楽の魅力アイリッシュ・クリームとキョールトリ
6/24
(土)
民話と妖精とケルトから見たアイルランド高木朝子氏
熊本高専准教授
7/22
(土)
アイルランドとハーン西川盛雄氏
熊本大学名誉教授
8/26
(土)
アイルランド系アメリカ人小説を読む八幡雅彦氏
別府大学短期大学部名誉教授
大分県アイルランド研究協会
10/21
(土)
世界最古のモニュメント! 世界遺産ニューグレンジ遺産を解き明かす立山由生氏
ワシントン外語学院院長
12/9
(土)
ハーン作品朗読斎藤幸子氏
石蕗(つわぶき)の花代表
2023年(第25期) 市民講座一覧表
※1開講時間はいずれも14:00~15:30の90分
※2お菓子の香梅帯山店ドゥ・アート・スペース
受講料無料(お菓子や飲み物の提供はございません)
2023年(第25期) 市民講座補足

協力団体:熊本八雲会・小泉八雲熊本旧居保存会(順不同)

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1 お知らせ 1-1 イベントのお知らせ

ハーン顕彰事業「アメリカへやって来たラフカディオ・ハーン」のお知らせ

熊本八雲会と熊本アイルランド協会の主催で、ハーン渡米150年記念「アメリカへやって来たラフカディオ・ハーン」と題し、ハーン顕彰事業が開催されます。講演とライブ演奏で辿るハーン心の旅をお楽しみください。

ラフカディオ・ハーンがヨーロッパからアメリカに渡ったのは1869年の初夏のころでした。今年はそれから150年目の節目の年にあたります。本年のハーン顕彰事業は、第1部ではハーンとアメリカ、そして日本(熊本)との繋がりについて、熊本在住のハーン研究者アラン・ローゼン氏にアメリカ人の立場で語っていただきます。そして第2部ではローゼン氏の友人、ジェフ・ケアンズ氏と彼のミュージシャングループ・ジェカプロ(JECAPRO)による洋楽器と和楽器を取り入れた新鮮な演奏で、ハーンが辿ったであろう西洋から東洋への心の旅をご体感ください。

チケットは熊本アイルランド協会(事務局:お菓子の香梅本社)にもございます。お電話(096-366-5151)でお問い合わせください。

ハーン顕彰事業「アメリカへやって来たラフカディオ・ハーン」
ハーン顕彰事業「アメリカへやって来たラフカディオ・ハーン」

【講師:アラン・ローゼン氏のプロフィール】
米国ニュージャージー州出身。1967年ペンシルベニア大学英文科卒業。ブリン・マー大学(PhD)修了。イギリス文学(ミルトン)の研究を行う。熊本にあってラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の研究を行い、陶芸にも明るい。現在 (熊本大学五高記念館客員教授。熊本八雲会会員。

【演奏:ジェカプロ(JECAPRO)のプロフィール】
【ジェフ・峯曙・ケアンズ(尺八)】
トロント(カナダ)生まれ、日本の伝統的な琴古流、2005年に尺八師範を取得。幅広く芸術的な日本の古典音楽に加えて現代音楽のジャンルを演奏している。大震災支援のチャリティ活動にも心を用い、質が高く多様な都市文化を生み出すコミュニティプロジェクト(Street Art-plex)にも参加している。
【柏原 英彦(フラメンコ・ギター)】
ジェフの音楽グループ・ジェカプロ(JECAPRO)の主力メンバー。フラメンコ・ギターの奏者として活躍中。
【志娥 慶香(ピアノ)】
バークリー音楽大学映画音楽作曲科を首席卒業。映画音楽作曲の他、新聞の新作映画評など執筆活動も手掛ける。2016年より毎年フィンランドにてソロ公演。第41回信友社賞受賞。
【古荘 昇龍(ウッドベース)】
ピアノ調律師&ジャズベーシスト。調律・演奏ともに優れ、全国に出かけている。音楽への愛情とジャズ的教養の深さに裏付けられた演奏には定評がある。
【西田 義伸(ドラム)】
豊かな音楽センスの持ち主で、現代音楽のバンド(トリオ・セガール)のドラム担当演奏家として活躍中のミュージシャン。

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2 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) 2-3 小泉八雲の生涯

小泉八雲略歴

小泉八雲年譜

西暦和暦経歴
1850嘉永36月27日ギリシアのレフカダ島で生誕、次男
父はチャールズ・ブッシュ・ハーン(アイルランド系イギリス人)
母はローザ・アントニア・カシマチ(ギリシア人)
1852嘉永5父の実家のダブリンへ母と赴く
1854安政元母、ハーンを残してギリシア(セリゴ島)に帰る
1855安政2ダブリンの大叔母サラ・ブレナンのもとで生活する
1857安政4父母の離婚
1863文久3ダラム郊外の神学校聖カスバルト校に入学
1866慶応2学校で遊戯(ジャイアント・ストライド)の最中、左目を失明
1867慶応3聖カスバルト校を中退、ロンドンに行く
1869明治2アイルランド移民船で渡米、シンシナティに行く
1874明治7シンシナティ・インクワイアラー社の正社員となる
混血女性アルシア・フォーリーと結婚するが様々な困難と直面
1877明治10シンシナティを離れニューオーリンズに向かう
1881明治14タイムズ・デモクラット社の文藝部長に就任
1884明治17ニューオーリンズで万国産業綿花博覧会開催、服部一三と知り合う
1885明治18ハーバード・スペンサーの第一原理を読む。ゴンボセーブ刊
1887明治20西インド諸島のマルティニーク(サン・ピエール)に向かう
1890明治23ニューヨーク、ハーパー社の記者として来日。
横浜滞在の後、松江(島根県尋常中学校)の英語教師となる
1891明治242月小泉セツと結婚。11月19日に家族とともに
第五高等中学校(熊本大学)英語教師として来熊。
熊本市手取本町34番地に入る(赤星家の借家)
1892明治254月セツと博多への旅
7-9月神戸・京都・奈良・隠岐・美保関2ヶ月の旅
11月熊本市坪井西堀端町35番地に転居
1893明治262月嘉納治五郎が転任。7月長崎に小旅行
11月に長男一雄誕生、父としての自覚
10月作品「柔術」、12月「石仏」
1894明治271月「極東の将来」講演。5月「九州の学生とともに」執筆
9月「知られぬ日本の面影」出版。10月離熊。
「願望成就」執筆。神戸クロニクル社(英字新聞社)に入社
1895明治28過労で神戸クロニクル社退社。「東の国から」出版
1896明治292月日本に帰化し、小泉八雲と名乗る。3月「心」出版。
9月上京。東京帝国大学(東京大学)英文科講師(外山正一学長の招聘)
1897明治302月次男巌誕生。
8月避暑で焼津の山口乙吉宅に滞在、気に入る
1899明治32三男清誕生
1903明治361月東京帝国大学から解雇通知。3月31日退職。
長女寿々子誕生
1904明治373月早稲田大学教員となる。4月「怪談」出版。
9月26日心臓発作のため逝去(54歳)

ハーンの熊本時代

1891(明治24)

11/19午後5:36着の列車で春日駅(現熊本駅)に到着、
嘉納治五郎校長が駅頭に出迎え。不知火館(手取本町)に投宿
11/20第五高等中学校に出かけ校舎を見る。
提供された無料の洋風の宿舎を断る。
藤崎剛八中尉の家にセツとともに招かれる。藤崎夫人は松江出身
11/24ハーンの就任式、授業を始める。英語主任は佐久間信恭(札幌農学校出)
担当科目は英語、ラテン語が中心で週27時間(後に20時間)、生徒数441名
11/25手取本町34番地の旧熊本藩士赤星晋作邸の借家に引っ越す。
子息の赤星典太(後の長崎県知事)はハーンの教え子
12/15第二回帝国議会が第二、第四、第五高等中学校の廃止案を決定
12/25帝国議会が解散。上記廃止案は廃案となる

1892(明治25)

01/05赤星邸に新年の宴会に招かれる
01/08偕行社で第六師団長(野崎中将)の新年の宴に招かれる
04/03セツ夫人と博多へ。数日滞在(石田屋旅館)。
大宰府天満宮、都府楼跡等を見る
04/12「英語教師の日記から」を書きあげる(日本に関する最初の書物)
05/24冨重写真館にてセツと写真撮影をする
07/10第五高等中学校第一回卒業式。卒業生14名(総代;武藤虎太)
07/16京都・奈良・隠岐方面への約2ヶ月の旅にセツと出かける
11/下旬坪井西堀端町35番地に引越す。書斎にガラス障子とストーブを入れる

1893(明治26)

01/25中川元が第四代校長に任ぜられる(嘉納治五郎は文部省参事官へ)
02/03嘉納校長の送別会。加藤神社の鳥居前で教職員生徒一同の記念撮影
02/25有馬純臣宅を訪ね自宅の柔道場を見る(経験が作品「柔術」に反映される)
07/20長崎への旅に出る。この時の浦島屋(三角西港)での体験が
「夏の日の夢」となって結実する(22日に帰熊)
10/11作品「石仏」の原稿を出版社に発送
11/17長男一雄が生まれる(レオポルド・カジオ・ハーンと命名)
12/14生徒の英作文約100編の添削を終える

1894(明治27)

01/27全校生徒を前に<瑞邦館>で『極東の将来』と題して講演
02/25秋月胤永が一雄の誕生祝いに梅花の鉢と青竹の酒筒などをハーンに贈る
06/27全財産をセツに譲渡する旨遺言状を認める <日清戦争(8月1日)>
10/06熊本を発って神戸に行く。

小泉八雲はギリシアで生まれたアイルランド人です。本名は(Patrick) Lafcadio Hearn。島根県尋常中学校教師の時、小泉セツと結婚、のち日本に帰化して小泉八雲と名乗りました。
1891(明治24)年11月に第五高等中学校の英語教師として熊本に来ました。熊本時代の作品には「知られぬ日本の面影」「心」「東の国から」などがあります。
次の言葉は1894(明治27)年1月27日、小泉八雲が第五高等中学校で行った講演「極東の将来」の結語部分です。「The future of greatness of Japan will depend on the preservation of that Kyushu or Kumamoto spirit, the love of what is plain and good and simple, and the hatred of useless luxury and extravagance in life.」(将来、日本が偉大な国になるかどうかは、九州魂あるいは熊本魂、すなわち素朴、善良、質素なものを愛して、生活での無用な贅沢と浪費を嫌悪する心を、いかにして持ち続けるかどうかにかかっている。)

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2 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) 2-3 小泉八雲の生涯

ラフカディオ・ハーン漂泊の軌跡 -ヨーロッパからアメリカへ-

 2009年11月7日14時から、熊本大学くすの木会館レセプションルームにて、「ラフカディオ・ハーン漂泊の軌跡 -ヨーロッパからアメリカへ-」と題し、ヨーロッパ時代とアメリカ時代のハーンについて、基調講演とシンポジウムが開催されました。
 熊本大学学長の谷口功氏より開会のご挨拶があり、続いて司会の中村青史氏がハーンの孫にあたる稲垣明男氏(*注1)をご紹介され、基調講演「ヨーロッパ時代のハーン -ハーン実母の墓標とその子孫を訪ねて-」をお話ししていただきました。
 シンポジウムでは、パネリストに教授の福澤清氏、客員教授・名誉教授の西川盛雄氏、准教授のアラン・ローゼン氏、司会に中島最吉氏をむかえ、「アメリカ時代のハーン」をシンシナティ時代、ニューオーリンズ・マルティニーク時代、ニューヨーク・フィラデルフィア時代に分けてお話を頂戴し、会場からのご質問にもお答えいただきました。
 また、熊本大学マンドリンクラブによる「ロンドンデリーの歌」「フォスター・ラプソディー」の演奏もあり、拍手喝采を浴びていました。

 (*注1)ハーンの次男稲垣巌氏の長男にあたります

基調講演中の稲垣明男氏
基調講演中の稲垣明男氏

掛け軸 女性の足がない!?
掛け軸 女性の足がない!?

シンポジウムの様子
シンポジウムの様子

熊本大学マンドリンクラブの演奏
熊本大学マンドリンクラブの演奏

  熊本アイルランド協会事務局